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お知らせ

純心女子高等学校 第67回卒業式が行われました

  

  

  

 

 平成29年3月1日。寒さの中にも快い春の暖かさをを感じる陽光の中、第67回卒業式が行われ、卒業生214名が学び舎を後にしました。卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。皆さんの未来が光輝き、希望に満ちたものとなりますようお祈り申し上げます。

 

 

 

 卒業式で読み上げられた、送辞と答辞をご紹介いたします。

 

 

「送辞」(卒業生へ贈ることば)

 

 陽光の暖かみが増し、春の訪れが感じられる季節となりました。今日このよき日に純心女子学園を巣立ってゆかれる三年生の皆様、ご卒業おめでとうございます。

 

 三年間の高校生活を終え、皆様は今、新しい生活への期待で胸がいっぱいでいらっしゃることと思います。その一方で長いようで短かったここ純心での日々を思い出されておられることでしょう。今鮮やかによみがえる様々な出来事はお一人お一人違っているかもしれません。しかし、純心で積み重ねてきた思い出のどれもが充実した、かけがえのないものだったと思います。友人とのたわいない語らいも、仲間とともに切磋琢磨に励んだ部活動も、睡魔とたたかいながら必死に取り組んだ試験勉強も、その全てが皆さまの糧となり、これからの生活へ向けて背中を押してくれるものと思います。

 

 私たちの先輩でいらっしゃった皆様は学校生活において、常に模範でありました。私は一年生のとき、生徒会役員の一員として先輩方と活動をともにさせていただきました。学園祭に向けて取り組んだとき、何も分からない私たちを、先輩方は引っぱってくださいました。先輩方が企画をし、計画を立てた全体企画においても、全く動けなかった私たちですが一から優しく教えていただき、企画を成功させることができました。このほか、オープンスクールや新入生歓迎オリエンテーション、クリスマスページェント等の行事においても、機敏な行動や周囲に対する心配り、積極的に率先して物事に取り組む姿をすぐそばで見て、私もこうなりたいなあと強く思っておりました。たった一年しかともに活動した期間はありませんでしたが、感謝と尊敬の念を抱いていることは、今も変わりありません。

 

 楽しいことばかりではなく、不安や悩み、様々なことに対する不満でいっぱいになることもあったかもしれません。しかし、それと向き合い乗り越えてこられたことが、皆様の大きな自信につながっていると思います。また、ご家族や先生方、友人など多くの人々の助け無しには、私たちは成長することができません。けれど、それと同時に皆様が、だれかを支えていることだってあるはずです。先輩方の励ましに私たちが支えられてきたように、気づかないうちに、人を支えているということがあるのではないでしょうか。

 

 最近の社会情勢は大きく変動しつつあります。アメリカの大統領がドナルド・トランプ氏に変わり、これまでと異なった政治方針を示しているため、世界は混乱しています。自分の国が一番だという主張に多くの人が賛同し、世界各地に広がっているのです。このような時代だからこそ、他者のことを考え、ともに生きる姿勢が必要なのではないでしょうか。純心で学び、実践してこられた慈悲の精神と奉仕の心こそが今の社会に必要とされていると私は思います。これからの時代がどんなに難しいものであっても、自分自身を信じ歩み続けてください。私たちも先輩方に負けないよう日々努力して参ります。

 

 皆様のこれからの生活が、ますます実り豊かなものとなりますよう、在校生一同心よりお祈り申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。

平成二十九年 三月一日

在校生代表

 

 

 

「答辞」(お礼のことば)

寒さの中にも、生命の芽吹きを感じる春の佳き日となりました。今日、私たち卒業生二百十四名は、大きな希望と感謝を胸に、この純心女子学園を卒業します。

 

 三年目の春、新しい制服に身を包み、希望や不安を胸に抱きながらこの学園の門をくぐりました。あの日スタートした学園生活も、今日で終わろうとしています。この三年間を振り返ると、楽しかったことも、辛かったことも、一つ一つの思い出がつい、昨日のことのように蘇ってきます。

 

 昨年度、創立八十周年を迎えた本校は、八十年という歴史を改めて振り返り、感謝の気持ちを新たに、再スタートを切りました。初代学園長江角ヤス先生は、人が嫌がることを率先して、喜んで行うことが大切だとおっしゃっています。「先ず孝行、マリアさま、いやなことは私がよろこんで」この学園標語は、私たちに感謝の心、奉仕の心、他者を愛する心を教えてくれました。また、江角先生は、人が嫌がることを行うのは「愛の業」だとおっしゃっています。他者のために喜んで行動し、他者を喜ばせることのできる女性になりたいと思います。

 今日、世界は大きな変動の中にあります。昨年四月には、熊本県で大地震が発生し、犠牲となった方々や、災害後今なお不自由な暮らしを余儀なくされている方々も大勢います。しかし、そのような状況の中でも、人々は前向きに進んでいこうとしています。そして、世界の大国アメリカの新大統領就任に伴い、今後世界中に大きな影響が及ぼされると思われます。今日の世界はまさに、予測のできない状況にあります。このような社会に出て行こうとする私たちは、物事を自分自身でしっかりと考え、自分というものを強く持たなければなりません。もし、困難にぶつかった時には、今自分にできることは何かを考え、前に進むことが必要です。私は、大学で法律や社会のことを学び、社会に貢献できる人に成長したいと思っています。

 

 私は純心に入学して、先生方の「失敗できるのは今のうち」という言葉に後押しされ、失敗を恐れず、挑戦することを心がけてきました。高校一年次に全国高等学校英作文コンテストで入選したことは、その後の学びにつながる経験でした。中でも、高校三年次に、高校生模擬裁判選手権大会に参加したことは、私にとって大変意義のあるものとなりました。ある事件の審議で、予選では弁護側、本選では検察側として参加しました。弁護士、検察官の方々のご指導を受けながら、争点を見つけ、ルールに従って立証するといった経験は、自分の将来を考えるにあたって、大きな決め手となりました。このような経験ができたのは、純心に入学し、一緒に挑戦する仲間、サポートして下さる先生方がおられたからこそだと思います。困難だと思うことでも挑戦することによって、新たな人との出会いがあり、視野も広がり、自分自身、成長できたと思います。今後も様々なことに直面する時に、恐れず挑戦して行きたいと思います。

 

 また、本校ならではの学校行事では、心を静め、貴重な時間を過ごすことができました。クラスで協力し、奉仕の心を実践した錬成会。心をこめて地模様を作り、マリア様を讃えた聖母行列。キャンドルの炎が厳かな中、イエス・キリストの誕生を祝福した校内クリスマス会。このような行事は、純心で過ごしてきた日々の中でも忘れられない思い出となりました。そして、部活生の方々は、嬉しいことも悔しい事も共有し、切磋琢磨し合った仲間とは、強い絆で結ばれたことだと思います。

 

 高校生活を振り返る上で、友人の存在は大きなものでした。毎日たわいも無い会話をしながら登下校をした友人やいつも昼食を共にした友人、時には進路について真剣に話をした友人、この純心での生活をより輝かせてくれた友人には、感謝の気持ちでいっぱいです。こうしてみんなで揃うのが、今日で最後だということに、まだ実感が沸きません。明日もいつものような純心での一日が待っているような気がしているのは、私だけではないと思います。この、友人たちとの思い出を胸に刻み、これから先、生きて行こうと思います。

 

 最後になりましたが、今まで本当に私たちのことを思い、熱く指導してくださいました先生方、心から感謝申し上げます。学習面以外にも、大切なことをたくさん教えて下さいました。そして、十八年間、毎日私たちを温かく見守り、育てて下さった両親には言葉では言い尽くせないほど感謝しています。本当にありがとうございました。

 

 私たちは今日、この学園を旅立ち、それぞれの道へ歩んで行きます。ここまで私たちを導いて下さった全ての方々に感謝の気持ちを忘れず、前を向いて歩んで参りますことをお約束申し上げ、答辞とさせて頂きます。

平成二十九年 三月一日

純心女子高等学校

第六十七回卒業生代表

2017.3.10