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校長挨拶

純心中学校・純心女子高等学校
校長 佐古 照美
2026(令和8)年度の教育目標を紹介しつつ、校長挨拶とさせていただきます。
今年度の教育目標を次のように設定しました。
令和8年度 教育目標
「 やってみる 」
(1)「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」
(2)「しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」 ルカ5.4~5
(3)そこから始まる/そして深める
 この教育目標は、下記の聖書のお話を土台にしています。
 イエスがゲネサレト湖畔に立っておられると、神の言葉を聞こうとして、群衆がその周りに押し寄せて来た。イエスは、二そうの舟が岸にあるのを御覧になった。漁師たちは、舟に上がって網を洗っていた。そこでイエスは、そのうちの一そうであるシモンの持ち舟に乗り、岸から少し漕ぎ出すようにお頼みになった。そして、腰を下ろして舟から群衆に教え始められた。
 話し終わったとき、シモンに、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい。」と言われた。シモンは、「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう。」と答えた。
 そして、漁師たちがそのとおりにすると、おびただしい魚がかかり、網が破れそうになった。そこで、もう一そうの舟にいる仲間に合図して、来て手を貸してくれるように頼んだ。彼らは来て、二そうの舟に魚でいっぱいにしたので、舟は沈みそうになった。
(ルカ5.1~11)
 学園は、昨年度、創立90年の節目をつけて、100年に向けて歩みを進めています。その1年目ということで丁寧な歩みを心がけていきたいと思っています。
 今年度もどうぞよろしくお願いします。
 「やってみる」は「挑戦」や「チャレンジ」という言葉と並ぶものだと思いますが、この2つの言葉よりあまりかしこまらなくてもよいという感じがするので、「やってみる」と決めました。つまり、ある思いを抱いてから、ずっと深く温めて実行に移すというよりも、ふと思い立ったことをすぐにやってみる、失敗することもあるだろうけど、その時はその時、そこからまた始めていい、そんなイメージを「やってみる」はもっていると思います。
 自分の中からふと湧き出た思いが日常にある小さなきっかけと出会って、あるいは他者からの影響を受けて、「考え、行動する」ことを意識してほしいという思いがあります。このことを、聖書のみ言葉の中からイエスとシモンとの会話を通して、心の動き、変化を感じていくといいと思っています。やってみると現実が動いた、諦めていたのに何かが変わったという体験は、自分を成長させてくれると思います。
 聖書のみ言葉を少し味わってみましょう。
 漁師が網を洗っていたということは、仕事の終わりで、疲れていたと思います。加えて、その日は何も捕れなくてがっかりしていたことでしょう。その時に、奉仕する機会(舟を出す)を求められます。さらには、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」とも言われます。
 昼間に、沖で漁をすることは常識外れなことでした。漁師からすると、魚が捕れるはずがないと思ったことでしょう。ここで、だからやらないという選択肢もあったのですが、「しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」ともう一度やってみたのです。そうしたら、何かが動き始めました。
 想像もしていなかった大漁となりました。そして、この体験を通して、シモンをはじめとするそこにいた漁師たちはイエスに従っていくという道を選んでいくのです。
 神様は、特別なことの中ではなく、日常生活(疲れ、失敗、混乱、無気力・・・)の中に語りかけます。言われたことをするのは自分の意志と違うようで、させられている感じがするかもしれません。でも、時にはそれに「従う」こともあっていいのではないかと思うのです。何か物事が上手くいっていないような、あるいは物足りなさがあるように感じるのならば、誰かの声かけを聞き、それをきっかけとして従ってみてもいいのかもしれません。
 自分の力だけに頼るのではなく、自分だけではできないことがあるという自覚と、他者に助けを求める行動力が必要です。他者に協力してもらって成し遂げることも多くあります。
 「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」は、私たちに語りかけられている言葉です。そして、「しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」は、「やってみる」という私たちの応えでもあります。
 そこから始まります。やってみて、思うこと、考えることがあります。やってみて、想像していたことと違う結果となったり、新しい発見があったりします。こんなはずではなかったとがっかりすることもあると思います。でも、やってみたからこそ得られた価値ある体験です。そこから始まります。
 もし、友だちが「やってみようかな」と口にしたら、「やってみたらいいよ」「きっとやれるよ」と、「一緒にやろうよ」と励ましてください。
 そして、それらのつながりと積み重ねが自分を豊かに成長させてくれると思います。楽しみながら前に進んでいきましょう。